忍者ブログ
古文自動翻訳研究センター 中学・高校の古文学習をパソコンにサポートさせようと試みるページ
サイト内検索  サイトマップ   文字サイズ変更方法
トップページ開発者ブログ >古文
最終更新日 2025年01月31日 


◆ 古文

 
百人一首第14句 2016年01月31日(日) 22時20分  
このシリーズでは百人一首を順に解説していきます。
ゆくゆくは百首全ての解説を目指します。

[ 番号 ]
第十四句

[ 歌 ]
みちのくの しのぶもぢずり 誰ゆゑに 乱れそめにし 我ならなくに
PR

 
インターネット上の古文辞書 2015年05月31日(日) 21時22分  
インターネット上に無料で公開されている古文辞書があります。

http://kobun.weblio.jp

ウェブリオ株式会社さんが運営されているウェブサイトです。学生さんや教職員の方など、もう使ってるよという人も多いかもしれません。ちょっと調べたいけど手元に辞書がないという時でも、スマホさえあれば簡単に調べられます。しかも無料。これって、すごいことだと思いませんか。

古典の辞書に限らずですが、辞書を作るには膨大な労力が必要です。単語を羅列して説明文を作って、間違いがあってはいけないので専門家の方に話を聞いたり。つまりは簡単に提供しようと思っても作れるものではないのです。

実は、当センターでもオンライン辞書をつくろうという計画がありました。ありましたが労力がかかりすぎて実現しておりません。オンライン辞書をつくろうとする場合、自分で1から作るか、現在ある辞書のデータを他から買ってきて作るかの2通りが考えられます。おそらくウェブリオ株式会社さんは後者じゃないかなと思いますが、先述の通り辞書を作るには多大な労力がかかるので、そう簡単に買ってこれるものでもありません。ネットで無料公開されたらその辞書を作った会社にはマイナスの要素も多いですからね。自社で出している辞書が売れなくなるとか。その辺をどうしたかは知るよしもありませんが、おそらくウェブリオさんが割りと高額なお金を払い、そのぶんは広告収入でまかなっているのではないかなと思います。

当センターの場合は1から辞書をつくろうとしていましたね。そんな膨大な単語を収録するのは無理ですが、せめて高校で習う単語くらいだったらなんとかなるのではないかと。ただし、既存の辞書から解説を引っ張ってきては著作権の侵害になってしまいますから、自ら古文の原文をあたっていく必要があります。いやはや、今もつくろうという気力だけはありますがいつになることやら。

話をウェブリオさんのオンライン辞書に戻して、私が便利だと思ったのは検索条件の設定が多様なこと。「〜を解説文に含む」で検索できます。つまりは古文から訳語を検索するのとは逆に「おもしろい」って現代語は古文でなんというのだろうという検索ができるわけですね。その用途としては「逆引古語辞典」なんてものも市販されているのですが、これ、割りと高いです。その機能が実装されているので非常に便利です。

サービス開始は2012年。それまでは私の知る限り、ネット上に古文の辞書はなかったと思います。このサービルを提供してくださっているウェブリオさんに感謝です。

 
百人一首第13句 2015年04月30日(木) 23時49分  
このシリーズでは百人一首を順に解説していきます。
ゆくゆくは百首全ての解説を目指します。

[ 番号 ]

第十三句

[ 歌 ]
筑波嶺の 峰より落つる 男女川 恋ぞつもりて 淵となりぬる

[ かな ]
つくばねの みねよりおつる みなのがは こひぞつもりて ふちとなりぬる

[ よみ ]
つくばねの みねよりおつる みなのがわ こいぞつもりて ふちとなりぬる

[ 現代語訳 ]
筑波山の峰から流れてくる(最初は細い流れだったものが流れ下るうちに次第に水かさが増して深い淵になる)男女川のように、私の恋もだんだんと思いが募って淵のように深くなってしまった。

[ 品詞分解 ]
筑波嶺【名詞】 の【格助詞】 峰【名詞】 より【格助詞】 落つる【タ行上二段活用動詞「落つ」連体形】 男女川【名詞】 恋【名詞】 ぞ【係助詞】 つもり/て【ラ行四段活用動詞「つもる」連用形+接続助詞】 淵【名詞】 と【格助詞】 なり/ぬる【ラ行四段活用動詞「なる」連用形+完了の助動詞「ぬ」連体形】


[ 文法 ]
・三句切れ。
・「筑波嶺」は歌枕
・「川」と「淵」は縁語
・「筑波嶺の峰より落つる男女川」は「淵となりぬる」を導く序詞
・恋「ぞ」つもりて淵となり「ぬる」で係り結び


[ 読み人 ]
陽成院 (ようぜいいん)
第57代の天皇である。つまりは陽成天皇であるが、この歌は天皇を退いた後に詠んだ歌であるから、作者名は陽成院となっている。「院」とは天皇の位を退いた後の呼び方。当時の歌は貴族のたしなみであったから、当然多くの歌を詠んだだろうと推察できるが、現代まで伝わっているのは百人一首にあるこの一句のみである。当時としてはかなりの長寿で、80年以上の天寿を全うした。9歳の時に即位したが、17歳で退位しており、天皇としての在位は10年に満たない。その理由には諸説あり、病弱であったから、失政が多かったから、また、摂政(幼少の天皇を補佐するお役目)であった藤原氏と仲が悪かったからなどと言われている。

[ 決まり字 ]
2字


[ 解説 ]
次第に募る恋心を、流れるうちに大きくなっていく川に例えて詠んだ歌。 後に妃となる
綏子内親王(すいこないしんのう)へ送った歌であると伝えられている。筑波嶺とは茨城県にある筑波山のこと。当時の都は京都であるから、筑波山は遥か彼方の山であるが、万葉集には筑波山を詠んだ歌が20種以上も掲載されており、名の知れた山であったことが伺える。当時、筑波山では、男女が集まり、互いに歌を詠み合って遊ぶ「歌垣(うたがき)」という行事が行われており、そこで結婚相手を見つけることも多かったようだ。そんな風習から、筑波山は恋の山という印象が強かったようである。

 
世の中に たえて桜のなかりせば 春の心は のどけからまし 2015年03月30日(月) 22時01分  

そろそろ今年も桜の季節。

「世の中に たえて桜のなかりせば 春の心は のどけからまし」
(もし、世間に全く桜がなかったならば春の心は穏やかであるだろうに)

桜を読んだ有名な歌です。
桜が咲くのを今か今かと待ち、咲いたら咲いたで桜が散ってしまうのを残念に思う。
桜が無ければもっと心穏やかでいられるのに。
桜によって動かされる心が題材ですね。

ご存じだった方も多いでしょうが、
せっかくなのでこの機会にこの歌とその意味を覚えてみてはいかがでしょう。
最後の「まし」は反実仮想の助動詞で、古典文法的にも良く出てきますので。


 
百人一首第12句 2014年11月30日(日) 18時48分  
このシリーズでは百人一首を順に解説しています。
ゆくゆくは百首全ての解説を目指します。

[ 歌 ]

第十二句 天つ風 雲の通ひ路 吹きとぢよ 乙女の姿 しばしとどめむ
僧正遍昭(
そうじょうへんじょう)


[ 現代語訳 ]
空を吹く風よ、雲の通り道を吹き閉じてくれ (その道を通って帰って行ってしまう)乙女(天女)の姿を少しの間(この場所へ)とどめておこう



[ 品詞分解 ]
天つ風【名詞】 雲【名詞】 の【格助詞】 通ひ路【名詞】 吹き【カ行四段活用動詞「吹く」連用形】 とぢよ【ダ行上二段活用動詞「とづ」命令形】 乙女【名詞】 の【格助詞】 姿【名詞】 しばし【副詞】 とどめ/む【マ行下二段活用動詞「とどむ」未然形+意志・推量の助動詞「む」終止形】


[ 文法 ]

・三句切れ。
・風を人に見立てて雲の通い路を吹き閉じるよう頼んでいる(擬人法)。



[ 読み人 ]

僧正遍昭
六歌仙及び三十六歌仙に数えられる歌の名手で、平安時代に活躍した。桓武天皇の孫であり、
仁明天皇に使えて宮中の儀式等を司る蔵人所の長官(蔵人頭)まで出世したが、仁明天皇が崩御した後、35歳で出家して僧侶となった。なお、百人一首21首目の詠み人である素性法師の父である。
[ 決まり字 ]

3字


[ 解説 ]
最終的には出家して僧侶となった
僧正遍昭であるが、この歌はまだ宮中にお仕えしていた頃に詠んだ歌である。毎年11月に宮中で行われる新嘗祭り(にいなめまつり)で演じられる「五節の舞(ごせちのまい)」が題材。五節の舞とは、その昔、天武天皇が吉野へ行幸した際に、天女が降りてきて舞ったという伝説に基づいた踊りであり、実際の五節の舞では公家の娘などが舞っていたようだ。ただ、僧正遍昭はおそらくその伝説を知っていたのだろう。そこで、舞を舞う娘たちを天女になぞらえ、この舞をずっと見ていたいという気持ちから、天女が帰ってしまわないよう、帰り道を閉ざしてくれと風に呼びかける歌を作ったと思われる。



◆ 情報早見表

◆ 来客数

◆ カレンダー
2025年01月 2025年02月 2025年03月
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28

◆ カテゴリー

◆ RSS

◆ ブログ内検索

◆ 月別索引




利用規約   推奨環境   個人情報保護   お問い合わせ トップページへ   最上へ

制作:古文自動翻訳研究センター

忍者ブログ [PR]