ちょっと調べてみたのですが、坂上是則さんがこの歌を詠んだ平安時代の前期には、吉野はまだ桜の名所というよりも、雪深い山里というイメージ強かったようです。ですから、冬の歌こそ、平安時代の人にはしっくりくる歌だったのでしょうね。
ちなみに、吉野で見ることの出来る桜はソメイヨシノではなく山桜です。お恥ずかしい話、吉野で見られる桜がソメイヨシノだと思っていました。実際のところ、ソメイヨシノは東京染井の植木屋さんが起源だそうです。
吉野の山から写真を撮ってきたので載せますね。山全体がさくら色に染まり、なんとも美しい景色でした。観光客が大勢いたのが興ざめですが(本当はゆっくりと静かに桜を見たかった)、まぁ私もその観光客の一人ですので仕方ありません。
古文には数々の地名が出てきます。現代では何処なのかよく分からない地名もありますが、場所がはっきりしているものは地図上で確認しておくと知識が広がるかもしれません。高校生の皆さんなら、お手持ちの国語の資料集に解説とともに地図が載っているページがあるかと思います。ぜひ確認してみてください。そしてもし時間があれば、気分転換にでも出かけられたらよいですね。今の季節でしたら、新緑の奈良なんかいいかもしれません。
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