古文翻訳装置は
複数の意味を持つ単語を訳し分ける機能を搭載しています。
【例その1】
・文たてまつる。 → 手紙を
差し上げる。
・人たてまつる。 → 人を
参上させる。
・御薬たてまつる。 → 薬を
お飲みになる。
つまり、前後にある単語に関連しそうな訳を選ぶわけです。これにより、多少ですが翻訳精度の向上を図っています。
【例その2】
・人ありて、 → 人があって、
・山ありて、 → 山がいて、
……あれ?
古文翻訳装置Ver 2.12による翻訳結果です。……ホントは「人がいて、」と「山があって、」となるはずなのですが、なんなんでしょうこの日本語の使いさばきがまるで出来ていない翻訳結果は。
調査の結果、「人有りて」のように漢字表記にすれば問題が解決することが発見されました。……えーっと、でもなんででしょう?
…あ。
そうです、あです。
「人ありて」と「人有りて」の違いは「あ」しかありません。
古文の「あ」には、「私」とか「あれ」、「足」等の意味があります。そこまで重要単語ではないので覚えてなくても何とかなると思いますが、この「あ」が犯人だったのです。
古文翻訳装置ちゃんの思考その1。
うーん、「人ありて」の「あり」は「ある」と訳すのか、それとも「いる」と訳すのか……えぇっと、「あ」には「足」って意味があるから、「足」は「ある」だよね♪
古文翻訳装置ちゃんの思考その2
次は、「山ありて」か。「あ」には「私」って意味もあるから、「私」なら「いる」かな♪
…てな感じで。……ああ、なんという馬鹿。
勝手に人間にはとうてい出来ない超越的な思考に走っていますが、つまりは「あ」を「あり」の一部と認識していなかった上に、「あ」に複数意味があるもんだからそれに翻弄されていたと、こういうわけですね。
ええ、人間なら絶対しない痛恨のミスですよこれ。すみません次回の更新時にはちゃんと訳せるようにしておきます。
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