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最終更新日 2025年01月31日 


◆ 古文

 
共通テストお疲れ様でした。 2021年01月31日(日) 21時28分  
2020年度の大学入試から、今までのセンター試験が共通試験に変更されました。新型コロナウイルス感染症への対策を求められる中、2021年1月に試験が行われました。受験された方、関係者の方、お疲れ様でした。

古文に関する出題について言えば、まだしっかりとは確認出来ていないのですが、センター試験の時の出題傾向と大きな変更はなかったように思います。問題を解くのに一字一句訳す必要までは無いのですが、また折を見て古文翻訳装置でどの程度訳や品詞分解が出来るか、試してみたいと思います。
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百人一首第29句 2020年11月30日(月) 23時35分  
このシリーズでは百人一首を順に解説していきます。
ゆくゆくは百首全ての解説を目指します。

[ 番号 ]
第二十九句

[ 歌 ]
心あてに 折らばや折らむ 初霜の おきまどはせる 白菊の花

[ かな ]
こころあてに をらばやをらむ はつしもの おきまどはせる しらぎくのはな

[ よみ ]
こころあてに おらばやおらん はつしもの おきまどわせる しらぎくのはな

[ 現代語訳 ]
あてずっぽうに折るのなら折ってみようか、初霜が降りて、その白さで見分けがつかなくさせている白菊の花を。

[ 品詞分解 ]
心あて【名詞】 に【格助詞】   折ら/ば/や【ラ行四段活用動詞「折る」未然形+接続助詞+係助詞】 折ら/む【ラ行四段活用動詞「折る」未然形+意志・推量の助動詞「む」終止形】   初霜【名詞】 の【格助詞】   おきまどはせ/る【サ行四段活用動詞「おきまどはす」已然形+完了の助動詞「り」連体形】   白菊【名詞】 の【格助詞】 花【名詞】

[ 文法 ]
・「折らむ」の「む」を連体形として文を続けることも文法上は可能であるが「折るような初霜」と文を続けると意味が通らないことから「二句切れ」とし、分けて考える。
・「折らばや」を「ラ行四段活用動詞「折る」未然形+終助詞」と見ると「折り曲げたい」という意思を表すと解釈することも可能ではあるが、ここでは文が続いていることから、終助詞よりも接続助詞+係助詞の「ばや」が適当である。
・本来は「白菊の花」を「折らばや折らむ」であるところ「倒置法」を用いている。
・最後は「白菊の花」で「体言止め」

[ 読み人 ]
凡河内躬恒(おおしこうちのみつね) [男性]

平安時代前期の歌人。三十六歌仙のひとり。官僚であり、淡路や和泉などの地方官僚職を歴任したが、大きな出世はしなかった。歌人としては大きな業績を残しており、古今和歌集などに多くの歌が残る。家集に「躬恒集」がある。 

[ 決まり字 ]
4字

[ 解説 ]
初霜の白さと、白菊の白さを重ね合わせ、初冬の情景を詠んだ歌である。実際には、白菊が見えなくなるほどの初霜が降りることはないであろうが、印象的な情景を敢えて大げさな表現も用いて歌にしていると思われる。

 
百人一首第28句 2020年07月31日(金) 23時04分  
このシリーズでは百人一首を順に解説していきます。
ゆくゆくは百首全ての解説を目指します。

[ 番号 ]
第二十八句

[ 歌 ]
山里は 冬ぞさびしさ まさりける 人目も草も かれぬと思へば 

[ かな ]
やまざとは ふゆぞさびしさ まさりける ひとめもくさも かれぬとおもへば 

[ よみ ]
やまざとは ふゆぞさびしさ まさりける ひとめもくさも かれぬとおもえば 

[ 現代語訳 ]
山里は冬にとりわけ寂しさが感じられる。人が訪ねてくることもなくなり、草も枯れてしまうと思うと。

[ 品詞分解 ]
山里【名詞】 は【係助詞】   冬【名詞】 ぞ【係助詞】 さびしさ【名詞】   まさり/ける【ラ行四段活用動詞「まさる」連用形+過去の助動詞「けり」連体形】   人目【名詞】 も【係助詞】 草【名詞】 も【係助詞】   かれ/ぬ/と【ラ行下二段活用動詞「かる」連用形+完了の助動詞「ぬ」終止形+格助詞】 思へ/ば【ハ行四段活用動詞「思ふ」已然形+接続助詞】 

[ 文法 ]
・三句切れ
・倒置法
・「冬ぞ」で掛かり「勝りける」で結ぶ係り結び
・「かれぬ」は「離れぬ」と「枯れぬ」のかけことば

[ 読み人 ]
源宗于朝臣(みなもとのむねゆきあそん) [男性]

平安時代中頃の歌人、貴族。三十六歌仙のひとり。光孝天皇の孫にあたるが、後に皇族の身分を離れて源姓となった(皇族に苗字はない)。地方の役職を歴任したが、あまり出世には恵まれなかったようである。紀貫之と親交があったらしく、歌のやりとりが残る。

[ 決まり字 ]
3字

[ 解説 ]
平安時代の皇族、貴族の生活を想像すると、多くの人々は都の華やかな生活を思い浮かべるだろうが、その都の生活と比べて山里の生活は寂しいものである。特に冬は訪れてくる人もなくなり、草も枯れてその寂しさがまさる。そんな山里の様子を倒置法やかけことばなどの技法を織り交ぜて表現した歌である。作者が出世に恵まれなかったこともあり、そのような寂しさを山里のそれと重ねていたのかも知れない。

 
百人一首第27句 2020年06月30日(火) 22時23分  
[ 番号 ]
第二十七句

[ 歌 ]
みかの原 わきて流るる いづみ川 いつ見きとてか 恋しかるらむ

[ かな ]
みかのはら わきてながるる いづみがは いつみきとてか こひしかるらむ

[ よみ ]
みかのはら わきてながるる いずみがわ いつみきとてか こいしかるらむ

[ 現代語訳 ]
みかの原(今の京都府木津川市のあたり)から湧き出して、その地を分けるように流れる「いずみ」川の名前のように、あの人を「いつ見」たからといって(まだ実際にはあっていないのに)、私はあの人が恋しいのだろうか

[ 品詞分解 ]
みかの原【名詞】   わき/て【カ行四段活用動詞「わく」連用形+接続助詞】 流るる【ラ行下二段活用動詞「流る」連体形】   いづみ川【名詞】   いつ【代名詞】 見/き/とて【マ行上一段活用動詞「見る」連用形+過去の助動詞「き」終止形+格助詞】 か【係助詞】   恋しかる/らむ【シク活用形容詞「恋し」終止形+現在推量の助動詞「らむ」終止形】

[ 文法 ]
・みかの原は歌枕。
・上の句(「みかの原」から「いづみ川」まで)は「いつ見…」を導くための序詞。
・「わきて流るる」の「わきて」は「分きて」と「湧きて」の掛詞。
・「わきて」と「いづみ」は縁語。

[ 読み人 ]
中納言兼輔(ちゅうなごんかねすけ) [男性]

藤原兼輔のこと。平安時代中期に生きた貴族で、三十六歌仙のうちのひとり。賀茂川の堤の近くに邸宅があったことから堤中納言とも呼ばれた。


[ 決まり字 ]
3字

[ 解説 ]
みかの原とは現在の京都府南部に位置する木津川(きづがわ)市のあたり。そこに現在でも流れる木津川の昔の名前が「泉川」である。この歌では、序詞や掛詞といった技法をふんだんに使い、まだ会ったことも無い女性への募る憧れを歌っている。平安時代の貴族の女性は親しいもの以外に顔を見せないように生活するのが一般的だったため、このような、まだ有ったことは無い女性への憧れが恋に発展することも珍しくなかったようである。
なお、一度も会ったがその後中々会えない女性への募る恋心を歌った歌という解釈も可能である。

 
百人一首第26句 2020年04月30日(木) 23時49分  
このシリーズでは百人一首を順に解説していきます。
ゆくゆくは百首全ての解説を目指します。

[ 番号 ]
第二十六句

[ 歌 ]
小倉山 峰のもみぢ葉 心あらば 今ひとたびの みゆき待たなむ

[ かな ]
をぐらやま みねのもみぢば こころあらば いまひとたびの みゆきまたなむ

[ よみ ]
おぐらやま みねのもみじば こころあらば いまいとたびの みゆきまたなん

[ 現代語訳 ]
小倉山の峰のモミジの葉が趣を理解するならば、もう一回の天皇のおでかけまで散らずに待っていてほしい

[ 品詞分解 ]
小倉山【名詞】   峰【名詞】 の【格助詞】 もみぢ葉【名詞】   心【名詞】 あら/ば【ラ行変格活用動詞「あり」未然形+接続助詞】   今【副詞】 ひとたび【名詞】 の【格助詞】   みゆき【名詞】 待た/なむ【タ行四段活用動詞「待つ」未然形+願望の終助詞】

[ 文法 ]
・紅葉の葉に心があるならば…と、紅葉の葉を人にたとえた擬人法を使用している。
・高校古文の問題の中で聞かれることはまず無いが、この歌中の「今」は名詞ではなく副詞。
・待たなむ。の「なむ」は願望の終助詞。品詞識別でよく出題される重要語。

[ 読み人 ]
貞信公(ていしんこう) [男性]

藤原忠平のこと。平安中期に生きた貴族で、貞信公は亡くなった後に送られた名前(おくり名)である。行政のトップである右大臣や、天皇を補佐する関白を務めるなど、重職を歴任した。享年70歳と当時としては長命であった。


[ 決まり字 ]
2字

[ 解説 ]
勅撰和歌集「拾遺集」に紹介されており、当時の上皇とともに、紅葉の名所として名高い京都の小倉山で出かけた際に、上皇が子である天皇も見に来るべきだと言ったのを受けて詠んだ歌と記されている。小倉山は現在でも紅葉の名所として知られており、秋には国内外から多くの観光客が訪れる。
なお、決まり字は2字であるが、「を」から始まるのは百人一首の中でこの歌のみである。読み上げられる際は他の「お」から始まる歌と区別できないため。



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