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最終更新日 2025年03月31日 


◆ 古文

 
夏は来ぬ 2017年08月23日(水) 02時22分  

その曲の歌詞の意味、正しく言えますか?という記事です。

2017年。今年の8月前半はすっきりしない天気が続いていました。
夏と言うより梅雨でしたね。夏なんてこなかったんじゃないかという感じでした。
当然、夏が来ないことなんてあり得ないんですが(笑)

さて「夏は来ぬ」という曲があります。「なつはきぬ」と歌います。
この「来」はカ行変格活用の動詞「こ」「き」「く」…と色々活用します。
今回のコレは「連用形」ですね。従って「き」と読みます。

なぜなら…
1.「夏は来ぬ…」で歌詞が終わっているので「ぬ」は言い切りの形、つまり終止形で、
2.その終止形の「ぬ」と言えば「完了の助動詞」の「ぬ」であり、
3.そしてこの「ぬ」の直前につく用言は「連用形」だから、
です。「ぬ」には打消の助動詞「ず」連体形の「ぬ」もあるので注意です。

つまりは「夏が来た」と言う意味になります。
「夏は木綿豆腐よりも絹ごし豆腐が美味しい」という意味ではありません。

小学校や中学校で習う歌にも古文調のものがいくつかありますが、古文の文法を本格的に習うのは高校生からなので、歌の意味を正しく理解することが難しいことがあります。音楽の授業と古典の授業を融合させられたら面白いんですけどね。

実は歌詞の意味を間違って覚えていた…と言う例は多そうな気がします。こういった事例を集めて紹介できたら面白いかも。
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高千穂へ行ってきました 2017年07月31日(月) 23時31分  

高千穂へ行ってきました。
九州の宮崎県は北西部にある町です。

古典の世界とも深い繋がりがある所で、日本神話では、「にぎのみこと」という神様が降り立った地とされています。この出来事を「天孫降臨(てんそこうりん)」と言います。そのときは高千穂に水がなかったので、引いてきた水が「真名井の滝」という滝となって現在も流れているそうです。



このあたりは国の名勝、天然記念物に指定されています。



谷の中を通るので、割と上り下りが激しいです。ちょっとした運動です。お陰で散策中は結構暑かったです。もう少し涼しいのを想像して行ったのですが(笑。真夏よりは春や秋など過ごしやすい季節に出かけた方が良いかもしれませんね。今回はちょっと時間が無かったのでかなり駆け足の散策でしたが、次回はもう少しゆっくり巡ってみたいと思います。

 
天香具山へ行ってきました。 2017年05月31日(水) 22時24分  
天香具山へ行ってきました。

以前にも行こうと思っていたのですが行けていなかったので、今回が初訪問でございます。

…といっても、天香具山。普通の山です。



はい、この写真の中央にあるのが天香具山です。高さは152メートル。

さほど高い山というわけでもありませんが、百人一首の第2首目、

春過ぎて 夏来にけらし 白妙の 衣干すてふ 天の香具山

…に詠まれていることで有名です。

歌の解説はこちらに掲載しましたので、よろしければご覧下さい。

JRですと桜井線の香久山駅、近鉄ですと大阪線の耳成駅が最寄り駅です。

 
百人一首第19句 2017年04月30日(日) 23時05分  
このシリーズでは百人一首を順に解説していきます。
ゆくゆくは百首全ての解説を目指します。

[ 番号 ]
第十九句

[ 歌 ]
難波潟 短き蘆の ふしの間も 逢はでこの世を 過ぐしてよとや

[ かな ]
なにはがた みじかきあしの ふしのまも あはでこのよを すぐしてよとや

[ よみ ]
なにわがた みじかきあしの ふしのまも あわでこのよを すぐしてよとや

[ 現代語訳 ]
難波潟(大阪付近の海)に生えている蘆の、その短い節の間(のように短い時間)さえも(あなたに)逢わないで生きていろと(おっしゃるのですか)。

[ 品詞分解 ]
難波潟【名詞】 短き【ク活用形容詞「短し」連体形】 蘆【名詞】 の【格助詞】 ふし【名詞】 の【格助詞】 間【名詞】 も【係助詞】 逢は/で【ハ行四段活用動詞「逢ふ」未然形+打消の接続助詞】 こ/の【名詞+格助詞】 世【名詞】 を【格助詞】 過ぐし/てよ【サ行四段活用動詞「過ぐす」連用形+完了の助動詞「つ」命令形】 と【格助詞】 や【係助詞】


[ 文法 ]
・「難波潟 短き蘆の」は「ふしの間」を導く序詞。
・「ふしの間」は「蘆の節の間」と「短い時間」という二つの意味を持つ掛詞。
・蘆、ふし、世は縁語。
・「過ぐしてよとや」の「や」は係助詞なので後に連体形の結び(「言ふ」など)が続くはずだが省略されている(結びの省略)。


[ 読み人 ]
伊勢(いせ) [女性]

平安時代の女流歌人で、三十六歌仙のひとり。父が伊勢守(いせのかみと読む。さしずめ現在の三重県知事と言ったところか)だったため、伊勢と呼ばれるようになったようだ。古今和歌集などにも多くの歌を残している。同じ三十六歌仙のひとり「中務」の母でもある。恋多き女性で恋の歌を読むのが得意であったようだ。


[ 決まり字 ]
4字

[ 解説 ]
「蘆(あし)」は水辺に生える背の高い植物である。その茎には竹と同じように節がある。その節の短さと、時間の短さとを掛けて、少しも会ってくれない男性に対する気持ちを歌った歌である。蘆の短い節のようにほんの少しの時間会ってくれるだけでも嬉しいのに、全く会いに来てくれない。全く会わないまま一生を過ごせというのですか、いいえ、違いますよね。そんな女性の気持ちを込めた歌である。

 
はてしない 2017年03月31日(金) 23時52分  
強意の副助詞「し」のお話です。

唐衣 きつつなれにし つまあれば はるばるきぬる 旅をぞ思う

と言う場合の「し」です。
ちなみに「きつつなれにし」の「し」は過去の助動詞「き」の連体形です。
簡単な見分け方として「し」が無くても意味が通じるかどうか…と言うのがあります。

つましあれば→訳は「妻がいるので」=つま(し)あれば→「し」が無くても意味は通じる

こうなれば強意の副助詞です。

強意というのはなかなか分かりづらいのですが、現代語にもたまにこの「し」が残っていて、その代表格が「果てしない」の「し」です。「果てない」でも意味が通じるのですが、「果てしない」とすることで果てがない様子が強調された表現になります。

この他にも動詞「す」の連用形だとか、形容詞の一部だとか、割と見分けるのが難しいのが「し」です。「果てしない」というような強意の使い方があることは覚えておいて下さい。

※現代語の「果てしない」は「果てしない」で一語の形容詞として扱われます。



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