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最終更新日 2024年03月31日 


◆ 百人一首第19句

 
百人一首第19句 2017年04月30日(日) 23時05分  
このシリーズでは百人一首を順に解説していきます。
ゆくゆくは百首全ての解説を目指します。

[ 番号 ]
第十九句

[ 歌 ]
難波潟 短き蘆の ふしの間も 逢はでこの世を 過ぐしてよとや

[ かな ]
なにはがた みじかきあしの ふしのまも あはでこのよを すぐしてよとや

[ よみ ]
なにわがた みじかきあしの ふしのまも あわでこのよを すぐしてよとや

[ 現代語訳 ]
難波潟(大阪付近の海)に生えている蘆の、その短い節の間(のように短い時間)さえも(あなたに)逢わないで生きていろと(おっしゃるのですか)。

[ 品詞分解 ]
難波潟【名詞】 短き【ク活用形容詞「短し」連体形】 蘆【名詞】 の【格助詞】 ふし【名詞】 の【格助詞】 間【名詞】 も【係助詞】 逢は/で【ハ行四段活用動詞「逢ふ」未然形+打消の接続助詞】 こ/の【名詞+格助詞】 世【名詞】 を【格助詞】 過ぐし/てよ【サ行四段活用動詞「過ぐす」連用形+完了の助動詞「つ」命令形】 と【格助詞】 や【係助詞】


[ 文法 ]
・「難波潟 短き蘆の」は「ふしの間」を導く序詞。
・「ふしの間」は「蘆の節の間」と「短い時間」という二つの意味を持つ掛詞。
・蘆、ふし、世は縁語。
・「過ぐしてよとや」の「や」は係助詞なので後に連体形の結び(「言ふ」など)が続くはずだが省略されている(結びの省略)。


[ 読み人 ]
伊勢(いせ) [女性]

平安時代の女流歌人で、三十六歌仙のひとり。父が伊勢守(いせのかみと読む。さしずめ現在の三重県知事と言ったところか)だったため、伊勢と呼ばれるようになったようだ。古今和歌集などにも多くの歌を残している。同じ三十六歌仙のひとり「中務」の母でもある。恋多き女性で恋の歌を読むのが得意であったようだ。


[ 決まり字 ]
4字

[ 解説 ]
「蘆(あし)」は水辺に生える背の高い植物である。その茎には竹と同じように節がある。その節の短さと、時間の短さとを掛けて、少しも会ってくれない男性に対する気持ちを歌った歌である。蘆の短い節のようにほんの少しの時間会ってくれるだけでも嬉しいのに、全く会いに来てくれない。全く会わないまま一生を過ごせというのですか、いいえ、違いますよね。そんな女性の気持ちを込めた歌である。
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