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トップページ開発者ブログ >百人一首第33句
最終更新日 2024年04月30日 


◆ 百人一首第33句

 
百人一首第33句 2021年07月31日(土) 23時00分  
このシリーズでは百人一首を順に解説していきます。
ゆくゆくは百首全ての解説を目指します。
やっと3分の1まで来ました…。先は長い…。

[ 番号 ]
第三十三句

[ 歌 ]
ひさかたの 光のどけき 春の日に 静心なく 花の散るらむ

[ かな ]
ひさかたの ひかりのどけき はるのひに しづこころなく はなのちるらむ

[ よみ ]
ひさかたの ひかりのどけき はるのひに しずこころなく はなのちるらん 

[ 現代語訳 ]
光は穏やかである春の日なのに、なぜ、桜の花には穏やかな心がなく散っているのだろうか

[ 品詞分解 ]
ひさかた【名詞】 の【格助詞】   光【名詞】 のどけき【ク活用形容詞「のどけし」連体形】   春【名詞】 の【格助詞】 日【名詞】 に【格助詞】   静心【名詞】 なく【ク活用形容詞「なし」連用形】   花【名詞】 の【格助詞】 散る/らむ【ラ行四段活用動詞「散る」終止形+現在推量の助動詞「らむ」連体形】

[ 文法 ]
・「ひさかたの」は「光」の枕詞
・通常、花に心はないので「しづ心」は花を人に例えた擬人法。
・「花の散るらむ」の「の」は主語を表す。いわゆる『主格の「の」』と呼ばれ、「花は散るのだろうか」のように訳す。主格の「の」が使用された文末は連体形で終始する決まりがあるため「らむ」は終止形ではなく連体形である。※ただし、この知識が高校のレベルで問われることはまず無いので無理して覚える必要は無い。

[ 読み人 ]
紀友則(きのとものり) [男性]
平安時代前期の官僚、歌人。三十六歌仙の1人。古今和歌集に掲載する和歌を選ぶ役割を与えられた者のうちの1人であり、自身の歌も数多く古今和歌集に掲載されていることから、歌の実力は相当の者であったようだ。ただし、古今和歌集には、紀友則が亡くなった際に紀貫之などが掲載されていることから、古今和歌集の完成を待たずして亡くなったものと思われる。

[ 決まり字 ]
2字

[ 解説 ]
古典の世界で「花」と言えば桜の花のことを指す。のどかな春の日に桜が咲いている華やかな様子を詠むと同時に、その桜が、春の日ののどかさとは対照的に散り急ぐのを見て、一抹の物寂しさを詠っている。桜の花が散ってしまう寂しさを詠った歌は数多くあり、例えば「世の中にたえて桜のなかりせば春の心はのどけからまし(世の中に全く桜がなければ春の心はのどかだっただろう)」というような歌が伝わっている。
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