忍者ブログ
古文自動翻訳研究センター 中学・高校の古文学習をパソコンにサポートさせようと試みるページ
サイト内検索  サイトマップ   文字サイズ変更方法
トップページ開発者ブログ >百人一首第16句
最終更新日 2024年03月31日 


◆ 百人一首第16句

 
百人一首第16句 2016年08月21日(日) 21時19分  
このシリーズでは百人一首を順に解説していきます。
ゆくゆくは百首全ての解説を目指します。

[ 番号 ]
第十六句

[ 歌 ]
立ち別れ 因幡の山の 峰に生ふる まつとし聞かば 今帰り来む




[ かな ]
たちわかれ いなばのやまの みねにおふる まつとしきかば いまかえりこむ

[ よみ ]
たちわかれ いなばのやまの みねにおうる まつとしきかば いまかえりこん

[ 現代語訳 ]
(私は今からあなたと)お別れして因幡の国(鳥取県)へ旅立つが、その因幡の国にある因幡山の峰に生えている松のように(あなたが)待っていると聞いたなら、すぐにでも帰って来よう

[ 品詞分解 ]
立ち別れ【ラ行下二段活用動詞「立ち別る」連用形】 因幡の山【名詞】 の【格助詞】   峰【名詞】 に【格助詞】 生ふる【ハ行上二段活用動詞「生ふ」連体形】 まつ/と【タ行四段活用動詞「まつ」終止形+格助詞】 し【副助詞】 聞か/ば【カ行四段活用動詞「聞く」未然形+接続助詞】 今【名詞】 帰り来/む【カ行変格活用動詞「帰り来」未然形+意志・推量の助動詞「む」終止形】

[ 文法 ]
・「因幡の山の峰に生ふる」は「まつ」を導くための序詞
・「因幡の山」の「いなば」は国名の「因幡」と「行くならば」と言う意味の「往なば」の掛詞
・「まつ」は「松」と「待つ」の掛詞
・「まつとし聞かば」の「し」は無くても意味は通じるが、語呂を良くするためと意味を強くするために用いられている。品詞は副助詞。

[ 読み人 ]
中納言行平(ちゅうなごんゆきひら)
平安時代の歌人。「中納言」は役職名。本名は在原行平(ありわらのゆきひら)という。六歌仙として有名な在原業平は弟にあたる。この歌にあるように因幡の国へ仕事で赴任していた。今で言う県知事のような役職である。因幡の国へは2年ほど赴いていたらしい。

[ 決まり字 ]
2字

[ 解説 ]
この歌が作られた背景は伝わっていないが、作者が京都から鳥取へと赴任した際に詠んだものと言われている。今日に残して行く人々に対し、別れの思いが歌われている。当時は別れの際にこのような歌を詠むことが一般的だったようだ。今はしばしの別れであるけれども、待っていてくれる人がいれば私は帰ってきますという思いの先にいたのは友達だったのか、家族だったのか、あるいは恋人だったのか、いずれにしても、掛詞を巧みに使い秀麗な歌に仕上げている。

PR

コメント(0) [コメントする]  

トラックバック() [トラックバックする]  


 

この記事にコメントする

個人情報は、必要な範囲内でご記入下さい。コメント本文以外は空欄でも構いません。
お名前
タイトル
文字色
メールアドレス
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
コメントは承認制となっております。投稿後しばらくして表示されます。詳しくは利用規約を御覧下さい。


◆ 情報早見表

◆ 来客数

◆ カレンダー
2024年03月 2024年04月 2024年05月
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30

◆ カテゴリー

◆ RSS

◆ ブログ内検索

◆ 月別索引




利用規約   推奨環境   個人情報保護   お問い合わせ トップページへ   最上へ

制作:古文自動翻訳研究センター

忍者ブログ [PR]