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最終更新日 2025年01月31日 


 

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年の瀬の挨拶2019 2019年12月27日(金) 00時23分  
いささか後に弐千十九としも止まむにしはべりたり。ことしもいろいろなることありはべりけれど、つつがなく暮らすことあたひはべりき。來年も良きとしになることあらましはべりたり。良き聖壽禦迎へたまへ。

…と、古文で年の瀬の挨拶を書いてみました。古文翻訳装置で以下の文を翻訳したものです。

もうすぐ2019年も終わろうとしています。今年もいろいろなことがありましたが、無事に過ごすことが出来ました。来年も良い年になることを願っています。良いお年をお迎え下さい。

毎年思っていることですが、今年もやりたいことが多すぎて時間がなかった1年でした。時間は作るものだよ!とお叱りを受けそうですが、作る時間にもましてやりたいことが多い今日この頃です。古文翻訳装置の改良もその一つなのですが、いやはや、どうなることやら。2020年に余り期待せずご期待下さい。
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風立ちぬ 2019年11月30日(土) 00時15分  
風立ちぬ。いざ生きめやも。

「風立ちぬ」というのは堀辰雄氏の書かれた小説の題名で、私が好きな小説の中の一つです。

同名の宮崎駿監督の映画とか、松田聖子さんの曲もあり、こちらはこちらで好きだったりしますが、今回は小説のお話。

その小説の中に「風立ちぬ。いざ生きめやも。」というような一節が出てくるのですが、これを古文翻訳装置にかけて品詞分解させると以下のような形になります。

風【名詞:風】
立ち/ぬ【タ行四段活用動詞「立つ」連用形+完了の助動詞「ぬ」終止形:立ってしまう】
いざ【感動詞:さあ】
生き/め/や/も【カ行上二段活用動詞「生く」未然形+推量の助動詞「む」已然形+終助詞「や」+終助詞「も」:生きるだろうか】 。

完璧な品詞分解ですね、そりゃあそうです。好きな小説に出てくる一節だからちゃんと品詞分解できるように調整したんだから(いわゆるチート

全く関係ありませんが、「きしゃのきしゃはきしゃできしゃした」とパソコンなどに入力して変換すると、「貴社の記者は汽車で帰社した。」というように、ちゃんと意味が通るように変換できると思います。これを「きしゃにてきしゃがきしゃへときしゃする」なんて入力すると「貴社にて貴社が貴社へと帰社する」と、途端に意味が通らなくなります。入力したい意図としては「汽車にて記者が貴社へと帰社する」です。つまり何が言いたいかというと、よっぽど有名な文章なら事前に対策してしまえばそれなりに訳せるわけです。古文翻訳装置に入力される文章は擬古文を除けば数百年前に書かれた文章ですから、正直対策はしやすい気がしています。全然時間が無くて出来ていませんけど…。

さて、話がそれましたが「いざ生きめやも」の部分の訳について、これは元々フランス語で、私はフランス語の知識が無いのでそこは分からないのですが、堀辰雄氏が誤訳したのか意図があったのかはともかく、少々フランス語の意味とは違った日本語訳になっているようです。「めやも」という言い回しは、品詞分解は上記のとおりで、意味としては「~だろうか、いや、違う」です。つまり「生きるだろうか、いや、生きない(死のう)」となるわけです。これにどんな意味があるのかは堀辰雄氏のみぞ知るところなのでしょうが、とりあえず、風立ちぬは文章が綺麗で良い作品だと思いますので、是非皆さんにも読んで欲しいなあと思います。文語調で書かれているわけではないのでそこは心配ありません。

 
最後のセンター試験 2019年10月31日(木) 23時39分  
(2019年12月27日追記)
この記事を書いた後、英語の民間試験及び国語及び数学の筆記試験の導入が見送られることとなりました。

(以下、元の記事です)


今年度のセンター試験に関して思いを綴りました。要約すると、世間では色々言われていますが古文に関してはそこまで心配する必要は無いと思われるので受験生の皆さんはこれまでどおり勉強を続けて下さいという内容です。

 まず始めに、御存知の方も多いかとは思いますが、大学入試の際に受ける試験が大きく変わろうとしています。2019年現在、大学への進学を目指す場合は、大学入試センター試験と呼ばれる各大学共通の試験を受けるか、各大学が行う個別の試験を受けるか、あるいはその両方が必要となり、これは各大学の指定内容によります。2020年度から、これらのうち、大学入試センター試験が新たな試験「大学入学共通テスト」へと移行するため、2019年度、つまり今年度が最後のセンター試験となります。

 新たな試験が導入にあたり、ある程度の歴史があるセンター試験は過去問も豊富なことから対策が比較的立てやすいのですが、新たな試験は当然ながら過去問がないため、対策が立てにくくなります。これだけなら他の受験生も同じなので、少なくとも同世代の中では不平等は生じないのですが、英語については民間試験を導入するため、その受験機会が地域によって不平等になるのではないかと指摘されていました。そのような中、2019年10月になって、その英語への民間試験の導入に関する大臣の発言が波紋を呼び(※1)、そもそも新しい試験の導入をするのか否か議論すべきではないかとの意見も出ているのが現状です。

 国語の試験について言えば、現代文に記述式が導入されるという大きな変更がある予定ですが、古文に関しては引き続き選択式の予定です。

 新しい試験の導入について、賛否両論ありますが、個人的な意見としては「どちらでも良い」と思っています。ただし、受験生にとって準備の時間が長い方が良いに決まっています。そもそもは元のセンター試験のままで良かったとは思いますが、ここに来て方針を再度変えるのは良くないと思いますので、現状でしたらそのまま進むのが良いのかなぁとも思っています。「どちらでも良い」と思う理由については、どんな形の試験をおこなうにせよ、それぞれ利点と欠点は存在し、ひとつの試験で受験者の実力を完璧に測ることは出来ないと考えるからです。そもそも何故センター試験を廃止して新しい試験の導入が行われるかと言えば、センター試験にもマーク式であるが故に記述の能力が測れないだとか、基本的に1回勝負なので何度か受けられるようにした方が実力を測りやすいのではないかという指摘がなされており、それらを解決するためです。しかしながら、英語については民間試験を複数回受けられるようにしたことで新たに機会の不平等の問題が生じたわけです。1回勝負の欠点と、複数回勝負の機会不平等のどちらを取り、どちらを捨てるかは非常に難しい問題です。あちらを立てればこちらが立たずであるので、そもそも利点と欠点の取捨選択の問題であり、二兎を追うのは不可能と考えます。どちらの試験を行っても何らかの欠点はありますよ、と言うことです。ですから、どちらが良いか、と言のはなかなか決められません。

とは言っても、これらはセンター試験と共通テストとの間に差異がある部分の話で、両者の間に差異が無い部分についてはこれまでどおりの対策が可能です。正確に言えば新たな試験の問題は試験が終了しないと表に出てきませんので、どのような問題が出たのか、センター試験と比べて出題傾向に変化があったのかは終わってみないと分かりませんが、少なくとも、現状、古文については大きな変更はないものと思われます。

つまり、古文に関しては、大きな出題方式の変更はないと思われることから、今までどおりの学習法で問題ないかと思います。


※1 「身の丈受験」発言。 文部科学大臣がとあるテレビ番組に出演した際「身の丈に合わせて勝負して」と発言したが、これが、家庭の事情や経済格差、居住地域により受験機会が不平等となることを容認した発言と取れることから問題となり、大臣は発言を撤回及び謝罪した。

 
百人一首第25句 2019年09月30日(月) 23時55分  
このシリーズでは百人一首を順に解説していきます。
ゆくゆくは百首全ての解説を目指します。

[ 番号 ]
第二十五句

[ 歌 ]
名にし負はば 逢坂山の さねかづら 人に知られで くるよしもがな


[ かな ]
なにしおはば あふさかやまの さねかづら ひとにしられで くるよしもがな

[ よみ ]
なにしおわば おうさかやまの さねかづら ひとにしられで くるよしもがな

[ 現代語訳 ]
逢坂山のさねかずらが、恋人に会って共に寝るという名前を持っているのなら、そのさねかずらのつるをたぐるように、人に知られずに会いに行く方法があればなあ

[ 品詞分解 ]
名【名詞】 に【格助詞】 し【副助詞】 負は/ば【ハ行四段活用動詞「負ふ」未然形+接続助詞】   逢坂山【名詞】 の【格助詞】   さねかづら【名詞】   人【名詞】 に【格助詞】 知ら/れ/で【ラ行四段活用動詞「知る」未然形+受身の助動詞「る」未然形+打消の接続助詞】   くる【カ行変格活用(ラ行四段活用)動詞「くる」連体形】 よし【名詞】 もがな【終助詞】


[ 文法 ]
・「名にし負はば 逢坂山の さねかづら」は「くる」を導く序詞。
・「名にし負はば」の「し」は強意の副助詞。品詞の識別で良く出題される。
・逢坂山は「逢坂山(地名)」と「逢う」の掛け言葉。
・「さねかづら」は「さねかづら(植物名)」と「小寝(一緒に寝ること)」の掛け言葉
・「さねかづら」と「くる」は縁語
・「さ寝」と「逢ふ」は縁語。


[ 読み人 ]
三条右大臣(さんじょうのうだいじん) [男性]

藤原定方のこと。平安時代中期に生きた貴族。邸宅が平安京の三条にあったことから三条右大臣と呼ばれるようになった。

[ 決まり字 ]
3字

[ 解説 ]
作者が実際に恋した女性と会えなくなってしまった際に、その気持ちを歌った歌である。この歌には非常に多くの技法が使われている。当時、「逢坂山のさねかずら」は広く知られており、題材として共感を得やすかったと思われる。

 
百人一首第24句 2019年08月30日(金) 20時46分  
このシリーズでは百人一首を順に解説していきます。
ゆくゆくは百首全ての解説を目指します。

[ 番号 ]
第二十四句

[ 歌 ]
このたびは 幣もとりあへず 手向山 もみぢの錦 神のまにまに





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