「など」という古文単語があります。
こなたかなたの御送りの人ども、寺々の念仏の僧など、そこら広き野に所もなし。
…と言う場合の「など」と、
など斯うは泣かせ給ふぞ。
…という場合の「など」。
品詞の面から言えば副助詞と副詞の違いで、
意味の面から言えば「~等」と「どうして」の違いです。
前者の「など」は現代語でも使うので分かりやすい。
「犬や猫などは動物の仲間です」
…という場合の「など」ですね。
と言うわけで、古文を読解する上で覚えなければならないのは後者の「など」です。
ただ、前者の「など」がもっぱら名詞の後につくので判別はしやすい。
…人間にはね。
機械にこの判別をやらせようとすると、前の単語が名詞か否かを判断するという作業が必要になり、これはなかなか難しい。
機械は何を持って名詞を名詞と判断するのか。
正直もうデータベースの問題です。データベースが完璧なら完璧なのです。
古文翻訳装置では、前の単語が名詞の辞書に登録されていれば名詞と判断し、無ければ名詞ではないと判断させています。
登録されていない単語、これを「未知語」と呼びますが、これについては、はい、とりあえずスルーします(^_^;)
辞書の充実、これが命ですね。
ちなみに最初に出した例文の訳ですが、
あちらこちらの葬送の人や、いろいろな寺から来た念仏を唱える僧侶などで、とても広い野原に隙間もない。
と
どうしてこのようにお泣きになるのであるか。
です。
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