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最終更新日 2025年01月31日 


 

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百人一首第29句 2020年11月30日(月) 23時35分  
このシリーズでは百人一首を順に解説していきます。
ゆくゆくは百首全ての解説を目指します。

[ 番号 ]
第二十九句

[ 歌 ]
心あてに 折らばや折らむ 初霜の おきまどはせる 白菊の花

[ かな ]
こころあてに をらばやをらむ はつしもの おきまどはせる しらぎくのはな

[ よみ ]
こころあてに おらばやおらん はつしもの おきまどわせる しらぎくのはな

[ 現代語訳 ]
あてずっぽうに折るのなら折ってみようか、初霜が降りて、その白さで見分けがつかなくさせている白菊の花を。

[ 品詞分解 ]
心あて【名詞】 に【格助詞】   折ら/ば/や【ラ行四段活用動詞「折る」未然形+接続助詞+係助詞】 折ら/む【ラ行四段活用動詞「折る」未然形+意志・推量の助動詞「む」終止形】   初霜【名詞】 の【格助詞】   おきまどはせ/る【サ行四段活用動詞「おきまどはす」已然形+完了の助動詞「り」連体形】   白菊【名詞】 の【格助詞】 花【名詞】

[ 文法 ]
・「折らむ」の「む」を連体形として文を続けることも文法上は可能であるが「折るような初霜」と文を続けると意味が通らないことから「二句切れ」とし、分けて考える。
・「折らばや」を「ラ行四段活用動詞「折る」未然形+終助詞」と見ると「折り曲げたい」という意思を表すと解釈することも可能ではあるが、ここでは文が続いていることから、終助詞よりも接続助詞+係助詞の「ばや」が適当である。
・本来は「白菊の花」を「折らばや折らむ」であるところ「倒置法」を用いている。
・最後は「白菊の花」で「体言止め」

[ 読み人 ]
凡河内躬恒(おおしこうちのみつね) [男性]

平安時代前期の歌人。三十六歌仙のひとり。官僚であり、淡路や和泉などの地方官僚職を歴任したが、大きな出世はしなかった。歌人としては大きな業績を残しており、古今和歌集などに多くの歌が残る。家集に「躬恒集」がある。 

[ 決まり字 ]
4字

[ 解説 ]
初霜の白さと、白菊の白さを重ね合わせ、初冬の情景を詠んだ歌である。実際には、白菊が見えなくなるほどの初霜が降りることはないであろうが、印象的な情景を敢えて大げさな表現も用いて歌にしていると思われる。
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今はもう秋 2020年10月31日(土) 20時38分  

天気が良い日に富士山を見ると、頂上にうっすらと雪がつもっていました。もうそんな季節ですね。春眠、暁を覚えずと言いますが、秋眠も暁を覚えない今日この頃です。

 
京都御所散策 2020年09月30日(水) 23時28分  
京都へ行った際、京都御所の中を散策した時に出会った猫です。
人慣れしていて全く逃げません。



京都御所は見学できない場所もありますが、自由に入れる部分や、日中なら見学できる場所もあります。この猫は自由に入れる部分で出会いました。私はまだ日中なら見学できる部分に行ったことがないので、次の機会にはぜひ行ってみたいと考えています。

 
日が短くなってきました。 2020年08月31日(月) 23時29分  
枕草子で「春はあけぼの」「夏は夜」そしてこれからの季節「秋は夕暮れ」というように読まれているように、夕暮れが美しい季節になりつつあります。日もだいぶ短くなって参りました。まだまだ暑い日は続きますが、日暮れの後の虫の音には少し秋を感じている今日この頃です。新型コロナウイルス感染症の影響で外出する機会が減っていますが、家の近くでも感じられる秋を感じてこの季節を穏やかに過ごしていきたいと思っております。

 
百人一首第28句 2020年07月31日(金) 23時04分  
このシリーズでは百人一首を順に解説していきます。
ゆくゆくは百首全ての解説を目指します。

[ 番号 ]
第二十八句

[ 歌 ]
山里は 冬ぞさびしさ まさりける 人目も草も かれぬと思へば 

[ かな ]
やまざとは ふゆぞさびしさ まさりける ひとめもくさも かれぬとおもへば 

[ よみ ]
やまざとは ふゆぞさびしさ まさりける ひとめもくさも かれぬとおもえば 

[ 現代語訳 ]
山里は冬にとりわけ寂しさが感じられる。人が訪ねてくることもなくなり、草も枯れてしまうと思うと。

[ 品詞分解 ]
山里【名詞】 は【係助詞】   冬【名詞】 ぞ【係助詞】 さびしさ【名詞】   まさり/ける【ラ行四段活用動詞「まさる」連用形+過去の助動詞「けり」連体形】   人目【名詞】 も【係助詞】 草【名詞】 も【係助詞】   かれ/ぬ/と【ラ行下二段活用動詞「かる」連用形+完了の助動詞「ぬ」終止形+格助詞】 思へ/ば【ハ行四段活用動詞「思ふ」已然形+接続助詞】 

[ 文法 ]
・三句切れ
・倒置法
・「冬ぞ」で掛かり「勝りける」で結ぶ係り結び
・「かれぬ」は「離れぬ」と「枯れぬ」のかけことば

[ 読み人 ]
源宗于朝臣(みなもとのむねゆきあそん) [男性]

平安時代中頃の歌人、貴族。三十六歌仙のひとり。光孝天皇の孫にあたるが、後に皇族の身分を離れて源姓となった(皇族に苗字はない)。地方の役職を歴任したが、あまり出世には恵まれなかったようである。紀貫之と親交があったらしく、歌のやりとりが残る。

[ 決まり字 ]
3字

[ 解説 ]
平安時代の皇族、貴族の生活を想像すると、多くの人々は都の華やかな生活を思い浮かべるだろうが、その都の生活と比べて山里の生活は寂しいものである。特に冬は訪れてくる人もなくなり、草も枯れてその寂しさがまさる。そんな山里の様子を倒置法やかけことばなどの技法を織り交ぜて表現した歌である。作者が出世に恵まれなかったこともあり、そのような寂しさを山里のそれと重ねていたのかも知れない。



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