強意の副助詞「し」のお話です。
唐衣 きつつなれにし つま
しあれば はるばるきぬる 旅を
しぞ思う
と言う場合の「し」です。
ちなみに「きつつなれにし」の「し」は過去の助動詞「き」の連体形です。
簡単な見分け方として「し」が無くても意味が通じるかどうか…と言うのがあります。
つましあれば→訳は「妻がいるので」=つま(し)あれば→「し」が無くても意味は通じる
こうなれば強意の副助詞です。
強意というのはなかなか分かりづらいのですが、現代語にもたまにこの「し」が残っていて、その代表格が「果てしない」の「し」です。「果てない」でも意味が通じるのですが、「果てしない」とすることで果てがない様子が強調された表現になります。
この他にも動詞「す」の連用形だとか、形容詞の一部だとか、割と見分けるのが難しいのが「し」です。「果てしない」というような強意の使い方があることは覚えておいて下さい。
※現代語の「果てしない」は「果てしない」で一語の形容詞として扱われます。
PR